ドライな人
こう聞くと、どんな人が思い浮かびますか?
- さっぱりした人
- 冷たい人
- 人と関わらない人
- 何考えているのか分からない人
- 都会的な人
良い印象を持つ人もいる反面、少し苦手・関わりにくいといった印象を持つ人もいるでしょう。
ですが、他人にドライに接することは、全く悪いことではありません。
むしろ、今人間関係に疲れている方ほど「他人とのドライな距離感」を身に着けるとすごく楽になります。
人間関係がドライな人の特徴
まずは、ドライな人の特徴をおさえましょう。
承認欲求が無い
人間関係がドライな人は「自分の気持ちを分かってほしい」「同意してほしい」という欲求が少ないです。
特に職場などではその傾向が強く現れるため、人と意見の相違があったときにでもむやみに熱くありません。
自分の意見を肯定してくれる仲間を作る必要もないので、基本的にさらりと軽い人間関係を好みます。
必要以上に他人に介入しない
仕事で来ているのに、プライベートな話をやたらと聞きたがる人。
家族のことや悩み事・ひどい場合は家計の事情まで、根掘り葉掘り質問する人は存在するものです。
ですが、ドライな人はそもそも他人のプライベート事情に興味がありません。
相手が聞いてほしそうならさらっと聞くことはあるかもしれませんが、すぐに忘れますし、そもそも自身も話したくないのでそういった内容の世間話は好みません。
- 同じ職場の仲間だから
- 同僚だから
- せっかくお知り合いになったのだから
といった状況を理由にした人付き合いのスタートも好みません。
距離感がはっきりしている
ドライな人と関わると、最初はとくに話やすい印象を受けるケースが多いです。
人づき合いについてのスタンスがはっきりしているため、相手の機嫌を伺うような態度に出たり、自分を良く見せたりする必要が無く自然だからです。
誰に対してもフラットな表情を見せることができ、また対応も押し付けがましくないことから「丁寧な人・話やすい人」という評価を受けます。
しかし、付き合いが長くなってくるとドライな人が持つ独特の距離感を感じ取り、「いつまでも仲良くなれない」と感じる人もいます。
人付き合いはそつなくこなすが、無理はしない
ドライな人は、別に人が嫌いなわけではありません。
なので職場の人とも普通に仲良く交流するし、誘われれば飲み会にも行きます。
しかし、無理だと感じるお誘いはきちんと断ります。
「行くって言ったものの、ほんとは行きたくないよ~どうしよう、嫌だなぁ・・・ぶつぶつ・・・」
と後になって迷うことはほとんどありません。
「今日は無理なんです。すいません。」という言葉を妙な罪悪感を織り交ぜずに伝えることができます。
気分がいつもフラット
ドライな人の気持ちが波立たないわけではありません。
ですが純粋に「人に自分の感情をぶつけても意味がないし、そうしたいとも思わない」と認識しています。
イライラしても、それはあくまで自分の感情。人にあたるのはマナー違反。
と心得ているため、感情をむやみに表に出すことはありません。
つまり、自分は自分。他人は他人。がはっきりしている
ドライな人は、自分と他人の住み分けがきっちりできています。
他人の思いは他人のもの。私の思いは私のもの。お互いそれを否定しあったり、要求しあう必要もない。
という明確な線引きが出来ています。
人間関係に疲れている人ほど「ドライ」は必須。
普段人間関係に疲れている人が「ドライな関係」を取り入れると、人付き合いはどのように変わるでしょう。
そして、ドライな関係を構築できるようになるにはどうすればいいのでしょうか。
「ドライな関係」は断れない・人に合わせすぎて疲れている人にピッタリ
人間関係に疲れてしまっている人の悩みの多くは、「ドライな人間関係」を心がけることで解決します。
- 休みの度にアラサーお茶会に呼ばれてしんどい
- 同僚の愚痴に付き合わされてしんどい
- ころころ気が変わる友達についてゆけない
- 自分だけ仲間外れにされてる気がしてツライ
断れない・相手に振り回される・人からどう思われているかが気になることで生じる人間関係のいざこざ。
もしもドライな人であれば、どのように振る舞うでしょう。
- 会社の外でまで同僚と付き合うのがしんどい → 行けたらいくけど、後で愚痴るくらいならあっさりと断る。
- ぐちぐち続く同僚の愚痴 → ストレス溜まっているのかなと思ってある程度は聞いてあげても、基本的に興味がないので同意はしない。度がすぎたらそれ以上付きあわない。
- 気分屋な友達 → 無理な付き合いは決してしないが、たしなめられる間柄であれば友人付き合いは可能。ただし相手の気分に合わせない。
- 仲間はずれにされてる気がする → 「かもしれない」のような曖昧なことは気にしない。普段から人に対してフラットに接しているので、それで嫌われても仕方がない。
このように、相手のことも尊重するけど、自分もムリはしない。というスタンスで人と関わることで、余計な摩擦や疲弊を避けることができます。
では、そういったスタンスであるためには、どうしたらいいのでしょう。
ドライになるには、まず「自分」を理解する
他人と程よい距離感を築ける人は「自分のこと」を知っています。
- 自分は何が嫌なのか
- どこが限界値なのか
- どんなことに時間を使うべきなのか
- 何が大切なのか
ちゃんと自身で理解しておかないと、誘われた時に「え、う~ん・・・」となんとなくもやっとしながらついって行ってしまい、後になって「あんなの行かなかったら良かった。ほんとあの人嫌い!」なんて愚痴るハメになってしまいます。
愚痴ることでさらに時間を縛られますし、何よりしんどいですよね。
断ることに罪悪感を持つ必要はありません。相手には相手の都合、こちらにはこちらの都合があります。
次に「自分にとって大切な人」を理解する
いま現在、人付き合いに疲れ果てている人がいきなり「ドライな人」を目指すのは、少し難しいところがあります。
ですが最初のうちにはっきりさせておきたい事は
自分を振り回してもいいのは誰なのかということ。
つまり、自分の気持ちと反してでも気持ちを汲んであげたい人を決めておくのです。
人間関係に疲れやすい人は、誰にでもいい顔をして、誰にでも優しくしてしまいがちです。それでは疲れるのは当たり前ですよね。
『万人に好かれるのは不可能』と腹をくくって、自分にとって本当に大切な人を選別してください。
そして「他人」を理解する
さて、最後の項目です。
ここでいう「他人を理解する」とは、
他の人の気持ちを察してあげること
や
他人の都合を理解して自分を曲げること
ではありません。
他の人は、あくまで他人なのだ。と単純に認識することです。
もちろん相手のして欲しいことや望んでいることを察してあげて、言われなくてもすっと手を差し伸べられたらスマートですよね。
そういうことが自然にできる人は、きっと人間関係がスムーズに回ることでしょう。
でも、たいていの人はそんなに上手くいきません。
相手を思いやったつもりが、
「せっかく買ってあげたのに」
「わざわざ手伝ってあげたのに」
「あなたのためを思って言ってるのに」
「あんなに愚痴を聞いてあげたのに」
こんな『思いやりの押し付け』に繋がってしまうこともあります。
日本の“おもてなし”がもてはやされるように、思いやりって、けっこう高度な技術です。
本当の意味で他人を思いやるには、先ず自分に余裕がないと不可能です。
とってもとっても大事な人だけを思いやれたら、それで十分です。対象を広げて疲弊するのは一旦お休みしましょう。
人のことは、そうやすやすと推し量れません。
自分のスタンスは自分で決める。後は相手に委ねる。
ドライでいることは誰かを傷つけることでも、人間関係に波風を立てることでもありません。
ただ、大事なことは、関係性を相手に任せるのではなく、「私はこういうものです」と自分を押し付けずにきちんと表すことです。
相手があなたをどう感じるかは、相手にお任せしましょう。
そのためにも先ずは、自分の思い・立ち位置を自分自身で理解することが一番大切です。