小さいころに犬に噛まれたことが原因で、今でも犬を見ると怖くて体が固まってしまうような、そんな「怖い思い出のフラッシュバック」、あなたにもあるのではないでしょうか。
特に人間関係にまつわるトラウマや嫌な思い出は、幼い頃のことであっても今の行動に影響を与えてしまうことは珍しくありません。
ここでは、そんな心の傷とのかかわり方や、自分で自分に気づいてあげるための簡単な方法をご紹介します。
私も子供の頃のトラウマあります。
少しだけ、私自身の話を。
- 幼少期に2度チカンに遭う
- 子供の頃の友人関係でのトラブル
- 中学受験で失敗して親にものすごく怒鳴られた
子供の頃のツラい思い出としてすっと出てくるのはこんな感じです。
内容としてはそんなに特別なものではないかもしれませんね。もっと壮絶な思いをされた方もいることでしょう。
逆に、ツラい記憶が何も無かったという人はいないのではないでしょうか。
多かれ少なかれ、人に話すのはためらわれるような思い出があるのだと思います。
現実問題として、嫌な記憶をどう克服すればいいのか
誰でも持っているものといはえ、その記憶が今も思い出されて苦しんでいるようであれば、放っておくのは良いことではありませんね。
PTSDは専門医へ
あまりにも強い恐怖やストレスにより、思い出しただけで動悸・眩暈・吐き気や汗などの症状が現れる場合、自己解決しようとするのは危険です。
まずは専門機関へ行きましょう。
厚生労働省:みんなのメンタルヘルス
メンタルカウンセリングなどでは治療中につらい出来事を思い出す(フラッシュバック)と、心が暴れて制御できない状態になることがあります。
そういった可能性を熟知している専門家にかかって、時間がかかってもコツコツ向き合ってゆくことが一番です。
人に話す
NLPやカウンセリングの資格と経験のあるカウンセラーさんのところへ行ってみるのもおすすめではありますが、カウンセラーさんは星の数ほどいるため探すのは逆に困難です。
また、今どきのカウンセリングは1回あたりの料金が万単位になることも珍しくありません。相性がいいかどうかわからないうちから万を払うのはあまりおすすめしないので・・・
となると、シンプルに『人に話す』という方法がベストです。
思い出が辛く苦しいものであるほど、人に話すには抵抗があるはずです。
口に出すのも嫌。という場合もありますよね。
ですが、自分の中で長年溜めてきたけれど、消化しきれない。苦しい。ツライ。
ということであれば、外へ出しましょう。口にしましょう。
信用できる友達やパートナー、親でも構いません。
もしも直接の知り合いに言えないのであれば、ネットで傾聴してくれる人を探すことができます。
ポイントは、アドバイスしない人に聞いてもらうこと。
「それはあなたにも落ち度があるよね」「私はもっとつらい経験したよ」なんて言われたらぐったり疲れてしまいます。
ただうんうんと話を聞いて、涙が出てもそのまま泣かせてくれて、つらかったね、大変だったんだねと寄り添ってくれる人を選んでくださいね。
この、口に出す・泣きたくなったら思う存分泣く、というのはやってみるとかなり効果があります。それだけの感情に蓋をしていたのだな、という事が自分でも体感できるので、溜めグセがある方には特におすすめです。
紙に書く
とにかく誰にも言いたくないし、口にもしたくない。
という場合は、紙に書いてみてください。
脳の仕組みを利用した「ブレインダンプ」という思考整理法がありますが、あれと同じです。
もやもやと心の中に溜まっている感情を「字として外に出してあげる」ことで
- 頭がすっきりする
- 自分の考えていることが視覚的にわかる
- 自分でも気づいていなかった感情を知ることができる
といった効果があります。
客観的に自分の感情を「見る」ことができるので、それまで自分とひとつになっていた感情を「自分とは別のもの」としてとらえることができます。
書きなぐりでも、整理されてなくても構いません。とにかくどんどん書き出しましょう。
当時の自分に言葉をかけてあげる
つらい記憶を思い出している時は、まるで自分自身が「あの頃」にいるように思い出してしまうことがあります。
まるで追体験をしているようなものですよね。
これではいつまでも過去と今の自分を分けて捉えることができません。
以下はカウンセリング現場でも実際にやる手法です。イメージが苦手な方は、お人形を座らせてもいいですよ。
目の前に椅子を置いて、向かい合って座ってください。
その向かいの椅子には当時のあなたが座っているとイメージしてください。
当時のあなたは、どんな表情をしているでしょう。
大人の今のあなたが声をかけて、話を聞いてあげてください。
そして、泣いていたら受け止めてあげてください。イメージで、頭を撫でてあげるととても安心しますよ。
大人のあなたが子供あなたに、当時かけて欲しかった言葉をかけてあげてください。
その子が安心するまで、イメージの中で一緒に寄り添ってあげましょう。
人によっては今の大人のあなた自身がぼろぼろ泣いてしまう場合もありますが、問題ありません。とにかく湧いた感情は外に出しましょう。
出来事と意味付けを分ける
ここまでご紹介した方法である程度自分の感情的な部分に触れて、少しでも外に出すことができたなら、次は少し感情を切り離して考えてみましょう。
起こった出来事と、それにくっついている意味付けを分けて考える作業です。
意味付けを別の言葉でいうと、「学んだこと」が近いでしょうか。
例えば・・・私の場合、幼い頃にチカンに遭いました。お巡りさんに話をしてそれで終わるような小さな出来事でしたが、私にとってはかなり怖い思い出です。
そしてこの経験で、もし私がこう意味付けをしたら、どうでしょう。
チカン、怖い ⇒ 男は皆ロクでもない。敵。
こう思っていると当然日常生活で男性とうまく関わることはできませんし、恋人や結婚も難しくなりますよね。だって敵ですから。(ただ、真逆に振れる場合もあります。「私は汚い、もっと汚そう。」のように)
冷静に出来事と自分が出した意味付けを書き出すと、かなり極端であることがわかると思います。
ただ幼い頃にそんな冷静な考え方もできませんし、「それはそれ、これはこれ」と認識できずにおおさっぱに「男は怖い」と脳裏に焼き付けても不自然ではありませんよね。
今のあなたは記憶の集大成
誰でもみんな、過去の記憶をもとに今を判断し、行動します。
子供の頃は考えなしに無鉄砲に行動できていたのが大人になるにつれて思慮深くなるように、記憶と学びが増えてくると、行動に自然とブレーキがかかります。
1人1人の中に膨大な記憶と感情の引き出しがあって、『強い感情に絡む記憶』ほど、今現在の行動に強く影響を与えてきます。
ただそれは、過去の経験・学びから、自分を守るために無意識に行われていることです。
一瞬一瞬がまっさらな自分ではなく、過去の記憶と学びの集大成が今のあなただからこそ、過去に何があったかを思い出すよりも「それで何を思ったのか」を知ることは、今の行動を変える大きな手掛かりになります。
まとめ
- つらい記憶・トラウマは、あまりにもツライ場合は1人で対処しない。医療機関に相談を。
- とにかく自分の内側に溜めず外に出す練習を。口にする。紙に書く。
- 当時の出来事を追体験しない。あくまで当時の話、と認識して今の大人目線でとらえてみる。
- 感情がある程度外に出せるようになったら、出来事と意味付けを切り離す。
無理に自分にはっぱをかけず、なるべく自分のペースで進めるようにしてくださいね。
1回口にしてダメなら2回・3回。紙にたくさん書くのがしんどいなら、1日5分でも大丈夫です。
数か月かけて、じっくり向き合ってみましょう。