「また、あの人と揉めてしまった。」
「どうしていつもトラブルばっかり起こしてしまうんだろう。」
「私はなにも悪くないのに、トラブルに巻き込まれてしまった。」
人間関係のトラブルは最悪の場合関係が破綻してしまうこともありますし、一度関係にひびが入ると修復が大変ですよね。
なるべく心穏やかに過ごしたい方に、摩擦を少なくする対処法をご紹介します。
前提:人間関係にはトラブルが起こって当たり前
人と人とが関わる以上、なんらかのもめ事やトラブルはつきものです。
できる限り波風を立てない様にと意識していても、どうしようもないことは起こりますよね。
君が僕と同じように感じたり、理解したり、君が僕のようになるなんて望んではいない。
ボブ・ディラン
人の感じ方・考え方は、あらゆる点が自分とは違っています。
「違っていてもそれが当たり前。」
「時にはぶつかることもある。」
という考えができているとトラブル時に必要以上に心が波立たずに済み、それが冷静な対応に繋がります。
あなたはトラブルを起こしやすい人?チェックしてみよう。
あなたは、どちらかというとトラブルの中心人物になってしまうタイプですか?
以下の点に当てはまるか、チェックしてみましょう。
自分から火種を作っていないか
- 人に意識を向けすぎ・干渉しすぎ・関わりすぎ
- 人に同意を求めすぎ(意見が違うと納得いかない)
- 「人それぞれ」という意識が薄い
- 役職や経歴で人を判断する
- 弱いと判断した人にはつい強く当たってしまう
- 人と関わるのを極端に恐れている
- 人と関わるのが嫌すぎて、報・連・相ができない
- 個の意識が強すぎて、人を受け入れるスペースが無い
- 嫌いになった人とは口もききたくない
- 人のミスやうっかりがどうしても許せない
- 白黒つけないと気が済まない
- 「空気を読めない」とよく言われる
当てはまる項目が多いほど『摩擦(トラブル)を起こしやすい』ということになります。
他人に目を向けすぎる人・自分の中にこもりやすい人は、両極端な立ち位置ですが、いずれも度が過ぎるとトラブルの火種になります。
もし、自分でチェックしてもいまいちよく分からない・・・というのであれば、ぜひ近しい人にチェックしてもらってください。
客観的な評価は痛い場合もあれど、かなり参考になります。
自分の特徴を知っておく
彼を知り己を知れば百戦殆うからず
孫氏
人間関係のトラブルについて悩む前に、自分について把握しておくことが大切です。
というのも、自分の在り方でトラブルの発生率はかなり変わるからです。
・・・というよりも、トラブルの中心になりやすい・人との摩擦を起こしやすい人であれば、すでに「自分のパターン」に気づいているのではないでしょうか。
- 自分の余計な一言で、相手がカチンときた。
- あとあと考えればそこまでキツく言う程の事でも無かったのに、言い過ぎた。
- 自分が仕切り過ぎたせいで、皆を不快にさせた。
- 言いにくくて後回しにしていたら、結局一番悪いタイミングで断るハメになった。
シチュエーションは色々あれど、トラブルのきっかけになる自分の言動にはうすうす心当たりがあるのではないでしょうか。
でも
「相手だって悪い」
「自分は間違ってない」
と自分を正当化させてしまうと事態は何も変わらず、また次のトラブルを起こしてしまうというループにはまってしまいます。
もちろん、自分が100%悪いと思う必要は全くありません。
が、トラブルを回避したいと思うなら、自分にできる予防策は「自分の改善点を見つける」以外にありません。
そしてその予防策は、前述のようにすでにうっすら自覚できているはずです。
また、トラブルメーカーは目立つ・性格が強い人ばかりとは限りません。黙っていることでトラブルを引き起こす人もいます。
『必要な伝達事項すらなかなか言わず、相手に聞かれるまで黙っている』という謎の迷惑行為をして周りに迷惑をかけていたのは私です。
どうして言えないのか自分でも理解できませんでしたが、かなり大人になるまでその癖を持っていました(そもそも自分が言うべき事も言えない人間だということを自覚したのが二十歳を超えてからです)。
トラブルに巻き込まれやすいタイプの人
何も悪い事はしていないのに、気が付けばトラブルに巻き込まれてしまっている。
そんなタイプの人もいます。
丸くおさめようとしたばっかりに
身近に起こった小さないさかいやちょっとしたケンカ。
最初はAさんとBさんの対立だったのに、気が付けばなぜか自分がどっちつかずの八方美人(悪者)扱いされている経験は、ないでしょうか。
対立していた当人同士は共通の敵(私)を持つことで、いつの間にか仲良くなってるという。
まるで中学時代の女子のようですが、こういうことは社会人になっても普通に起こります。
もめ事には関わりたくない。なるべくやんわり収めようとしたばかりにこんなことになったら・・・そこから巻き返すのはなかなかしんどいものがあります。
芯が通っている人は、巻き込まれにくい
他人のトラブルに巻き込まれないための対処法は、『自分の意見を持つこと』です。
「周りのもめ事に興味なんてない。私はどっちの味方でもないよ。」というのが本音だとしても、
「興味ないです」と正直に言うのは難しい。かといって双方に「それはひどいですね、気持ちは分かります」などとどちらも肯定するような対応を続けるのは非常に危険です。
コウモリ扱いされて、気づいたころには自分が悪者になってしまう可能性を自ら上げているようなものです。
トラブル発生の現場が身近なものであればあるほど、「私には関係ない」という気持ちは一旦置いておいて、その場にいる一員としてのある種の諦めと共に、最低限自分の意見をしっかり持っておいたほうが無難です。
(ただし、職場であれば業務とまったく関係の無いプライベートな揉め事の場合、関わらないのが最善です。意見も持つ必要はありません。他人のプライベートなので・・・)
トラブルに巻き込まれたらどう対処する?
もしも人間関係のトラブルに巻き込まれたとしたら。どうしたらいいのでしょう。
先ほどの『自分の意見を持つ』ということも大切ですが、「私はこう思います」だけでは解決しない問題もありますよね。
あの人がああ言ったこう言った、などの言葉が飛びかい、そもそもの問題点からどんどん遠ざかってしまうこともよくある話です。
その時、その問題に関わる立場として大切なのが、当人の心情に寄り添わないということです。
この記事を読んでくださっている方は大人という前提ですので、メンタルケアは各自で行うことを強く推奨します。
そして心を晴れやかにするための近道は、目の前のトラブルをどうにかすることです。
どうやったらこの問題が解決できる?という具体的な対策に話を進めると、感情論から離れることができます。
ある程度の「トラブル耐性」は必須
少し長くなりましたが、簡単にまとめると
- トラブルを全て無くすのは不可能。
- 自分から火種を撒いてないか、自分を知る。
- “自分が無い”ことで、悪者にされることもある。
- 感情は解決を遠ざける。具体的な解決策に焦点を当てる
ということになります。
いずれにしても、どんなに人と関わらないような人生を選んでも、それでも関りを一切無くして生きることはできません。
この人生を少しでも楽に泳ぐために、デリケートな心にほんの少し毛を生やし、薄く筋肉を備えておくことをオススメします。
体毛が寒さから身を守り、筋肉が血流を促してくれているように、心も素のままでいるよりは、少し耐性がある方が強いです。
その耐性はどこから来るかというと・・・実生活での経験値です。
嫌な出来事にぶつかるたびに心身共に疲れ果て、どんよりムードに飲まれてしまうよりも
「まぁ、そんな日もあるかぁ。やれやれ。」と一旦諦めて切り替えるようにしていると、知らないうちにうっすらと心臓にうぶ毛が生えているものです。