もういい加減、悩むことに疲れたあなたへ。既に聞いたことがあるかも知れませんが敢えてここでこの考え方を提案します。
それは世の中には自分で「どうにかできる事」と「出来ない事」があるという厳粛な事実をいったん受け入れてしまうことです。
「なあんだ、そんな事は耳にタコができるほど聞いたよ。」と言われる方も多いことは承知しています。でも「そんな事」にすら、いざとなると思いが至らなくなるのが私たちです。
「堂々巡り」とか「グルグル思考」とよく言いますが、より心理学っぽく言えば「反芻(はんすう)思考」と言います。
いろいろ考えるけど結局、同じところに戻ってきて、また最初からほぼ同じ道筋(思考回路)を辿ってしまう経験は誰にでもあるでしょう。堂々巡りとはまさにそれです。
これのお蔭で眠れぬ夜を過ごした方も多いはずです。数多くのヒット曲の歌詞にも「眠れぬ夜」というワードはめちゃめちゃたくさん登場しますね。
こうしたループにはまる要因は、結局「何とかなるんじゃないのか」と「いや、さすがに無理よね。」の間で思考が行きつ戻りつするからです。
つまり、自分の力で「何とかなる事」と「どうしようもない事」の峻別が出来ていないことが要因なのです。
この事実を的確に表現した名言はこれまた多いものです。
「世の中には 譲って差し支えないことが多い。」新渡戸稲造
「神よ変えられないことを受け入れる心の平穏をお与えください。変えることのできるものを変える勇 気を変えられないことを そしてそれらを見分ける賢さをお与えください。」ラインホルド・ニーバー
具体例をひとつ。
例えば、あなたが成人だとして成長期が終わっていればおそらく身長を伸ばすことはできません。これについてあれこれ悩んでも解決策はありません。
でも、体重なら増減はかなりの範囲でコントロール可能です。ハリウッド俳優の中には役作りとして10㎏単位で増減をコントロールすることは珍しくありません。
名優ロバート・デニーロさんは映画「レイジング・ブル」でボクサーの栄光と挫折を演じましたが、このためにいったん落とした体重から27㎏の増量を敢行しており、この壮絶な役作り法は「デニーロ・アプローチ」と呼ばれています。
名優の超絶コミット度はさておき、そこまではいかなくても要はコントロールできることにのみ意識を向けることであなたのグルグル思考はかなり和らいでいくはずです。
まとめ
- ぐるぐる思考の原因は「何とかできる事」と「出来ない事」の境界が曖昧なままになっている点にある。
- 「コントロールできる事」と「コントロールできない事」を峻別する。
- 「コントロールできない事」は現実として「受け入れる」しかないと知る。
- 「コントロールできる事」に注力する。