職場や学校の人間関係がつらくて、いつまでも周りに馴染めない。自分だけ浮いている気がする。
悪口を言われている気がする。
・・・あぁ、どうしてこうなるんだろう。
人間関係がつらいと感じる人は、今の環境で初めてそう感じたとういうよりも、昔からことあるごとに『周りになじめない自分』に悩んでいる人が多いです。
表立ってイジメられるわけではないけれど、いつもどこかで心細い。孤独な気がする。
人目が気になってうまく自分を出すことができない。
自分の何かがおかしいのだろうけどどう変えたらいいかわからない。
実際のところ、自分を変えるのは難しいです。どうすれば正解かの答えなんてありませんし、相手は生身の人間です。
でも、大きく自分を変える必要なんてあるのでしょうか。
魔法のように自分を明るく爽やかな人間性になんて変えなくても、人間関係が変化してゆくことだってあります。
名言からヒントを得る
どういうことばを使うかは、あまり難しく考える必要はない。相手に恥をかかせたり、傷つけたりするようなことを言わなければいいのである
斎藤茂太
自分を無理に明るく見せたり、元気な人間にとりつくろう必要はなく、相手に対する礼節さえ守ればいいということが書かれていますね。
客観的に考えた時に、無理にはしゃいだり盛り上げようとしない、控えめだけど他人に対する思いやりはいつも持っている人って、素敵じゃないですか?
私はこういう人がとても好きです。
明るくて会話が上手で社交的な人よりも、魅力的に見えます。
ただ少し、こういう人の魅力に気が付くまでは時間がかかるかもしれませんね。
あなたがたとえ氷のように潔癖で雪のように潔白であろうとも、世の悪口はまぬがれまい
シェイクスピア
どんな人でもこういった経験があるのではないでしょうか。
何をしても、何をしなくても、突然悪口の的にされることはあるものです。いちいち「私が悪い事をしたのかな」と思い悩んでいてはキリがありません。
人というものは基本的に勝手な自分の意見を述べるものだし、声が大きい人ほど賛同する人が集まる傾向があるものです。
他人はすべて自分よりもアカンと思うよりも、他人は自分よりエライのだ、自分にないものをもっているのだ、と思うほうが結局はトクである。
松下幸之助
人間関係がつらい。自分のどこが悪いのだろう。そういう考えがある人はすでに半分会得しているかもしれませんが、注目してほしいのは『結局はトクである』という部分です。
どれが正しい・間違っているではなく、こうした方がトクだし、人間関係を泳ぎやすい。得るものも多い。という考え方です。
人間関係なんて結局正解はありません。周りにいる人間のタイプによって振る舞いがどう評価われるかは随分と変わるものです。
だらこそ、ある程度の柔軟な思考は持っていた方が確実にトクです。人間関係で悩む人は、まじめで自分の中に悩みをこもらせてしまう傾向があります。
人間関係で悩んでいる人は膨大にいる
人間関係に関する名言や書籍、インターネットでの情報の多さからも分かるように、人間関係の悩みというものは普遍的な物事のように人生につきまとうものです。
子供の社会であろうが成人したあとの大人社会であろうが、ましてや高齢者になってからでも、人間関係のお悩みはつきません。
程度の差はあれ、悩んでいる人はたくさん存在しています。
ここで言いたいことは、みんなも悩んでるんだから我慢しろ、ということではなく
あなたの悩みは誰かも持っている悩みでもあり、特殊なことではない。自分を責めたり、必要以上に孤独を感じる必要はない、ということです。
私自身は小学校時代は塾の人間関係に、中学生時代には部活の友人関係に悩みました。
内容はありがちな事です。
無視や悪口・陰口など、まぁその歳の女子らしい感じですね。
私は非常に大人しい子供だったので、悪口を言われてもただ黙っているしかできません。
無視されてもグループから外れるのは怖いので、なんとなく輪からつかず離れずに存在しているしかできませんでした。
逆に、成人してから知り合ったクラスメイトにどうしても苦手なタイプの子がいて、あまり関わらない様に話しかけなかったりしたこともあります。
大事なのは、必要以上に自分を責めないこと
現在進行形で人間関係に悩んでいる方は、毎日憂鬱ですよね。
学校や職場へ行くのが嫌で仕方ないと思います。
そこまで嫌ならいっそのこと環境を変えた方がいいとは思いますが、様々な事情でそういかない人も多いでしょう。
だからこそ大事なことは、そんなつらい境遇にいる自分を自分で責め立てることはしない。ということです。
自分で自分を責めるというのは思いのほか簡単にできてしまうことで、「だから私は嫌われるんだ」「あの子みたいにはなれない」などの言葉も同類です。
他人からも自分自身からも不当な扱いを受けては、あなた自身の居場所がどこにもなくなってしまうからです。
人間関係のつらい時期が長い人ほど自分を責めることが上手になる傾向があります。理由は簡単で、人は「理由が知りたい」からです。
どうしていじめられるの?
どうして無視するの?
という疑問の答えとして一番簡単に用意できるものが、「私が悪いから」ですね。そこに事実は関係ありません。脳が納得できればそれが答えになってしまうのです。
また、「アイツが悪い」「私は悪くない」という考え方は意外とパワーを消費するものですし、自然にそういう思考ができる人はネットで人間関係について調べません。
環境が変われば状況もころっと変わる
今の状況がツライものだとしても、周りの人間や環境が変化すれば、その状況がころっと変わることはよくあります。
一番てっとり早いものだと転職や転校、部活が嫌なのであれば、部活なんてやめてしまえばいいと思います。
だたそこまでしなくても、その場の人間関係は微妙なバランスで成り立っているため、少しのことで大きく変化することがあります。
例えば私の場合、部活内で軽く無視などいじめに遭っていましたが、その部活は継続したまま、部活内でたまたま別の友人をつくることができました。
むしろその子たちの方が気があっていたのですぐに仲良くなることができ、そのうちの一人とは今でも友達です。
そして不思議なことに、他に仲良くできる子ができたら、なぜかもとの無視されていた子たちも普通に話しかけてくるようになり、最終的には同じ塾に通うほど仲良くなりました。
また、私が過去にいた職場でかなりしんどい思いをしたのがスタッフがたった二人の職場です。
私と、私の先輩にあたる人の二人だけ。そしてその先輩がかなり厳しい強烈な人格の持ち主だったので、本当につらかったです。人生で一番人間関係がつらいと感じた時期でした。
ですが、1年我慢したころとうとう耐えられなくなり、退社の旨を当の先輩と社長(ほぼ出社しない)に伝えました。
そこで新しく人を雇うことになりましたが、1人目に来てくれた人は先輩のあまりのパンチの強さに2週間で大泣きして社長に直訴して、すぐに辞めてしまいました。
私とは先輩に泣く同士のようなものなので仲良くできましたが、辞めるまでたった2週間。しかも先輩の口の悪さ・態度の悪さを社長に余すことなく暴露しているその様子を見て、「私も1年も我慢する必要無かったんじゃ・・・」としみじみ思いました。
そしてその次に来てくれた新しい人。この人の登場により、環境は大きく変わります。
その人は一見明るく朗らかで誰とでも打ち解けやすく、先輩よりも年齢が上ということもあり「この人なら先輩をうまくあしらってやって行けるかも!」と感じたのですが、結果はなんとそれ以上でした。
その人は先輩よりも強かったのです。
相手が間違っている!失礼だ!と感じると笑顔は一切封印。完全怒りモードで先輩に対しての必要事項伝達すらすごい態度。
社会人としてどうなのかと思いましたが、先輩も先輩だったので、まぁ良いようになるだろう・・・と私は他人事モード。
私とその新しい人の引継ぎ期間の間に、あんなに傍若無人だった先輩が私に「〇○さ~ん、あのねぇ、これお願い・・・」と非常にしおらしく頼みごとをしてくるようになりました。
前までは、「これこれやって。仕事遅い!」みたいな言い草だったのに・・・
ともあれ、このことで人間関係というものは、その場の人間の間のパワーバランスで成り立っているものだということを学びました。
つまり、強い人を強くしているのは自分で、強い人を弱くする人だっている。絶対的なものではなく、相対的なもの。ということです。
相手はあなたを苦しめたことなんて気にしてない
どんなに他人に関心を持っている人でも、最終的に一番気になっているのは自分自身についてです。
人目がきになって仕方がない・人の顔色ばかり見てしまう、という人も、相手の目に映る自分自身を一番気にしています。
つまり誰でも一番興味があるのは自分自身についてです。
誰の悪口を言おうと、誰を無視しようと、そんなことは正直すぐに忘れます。
先ほど私自身の体験を2つ挙げましたが、それ以外でも相手の態度が知らないうちに変化していることなんて普通にあります。珍しくもないことですよ。
一般的には一度人間関係が決まってしまうとそこから改善してゆくのは難しいと言われています。
確かにまったく人間関係の流動がない、たとえば家の中の人間関係のような場合、力関係が変わらない限りは大きく変化させるのは難しいかもしれません。
ですが職場であれば、ある程度流動するのが普通です。今無視されていたとしても、それが永遠に続くわけはないし、そんな気まぐれな他人の行動を気にする必要もありません。
時間が経ってしまえば、相手はあなたを無視したことなんて忘れます。なんなら「〇○さんがいて良かった~」なんて言葉も平気で使います。
「え?今までのあんたの態度は??私はどう思えばいいの?」
と置いてけぼりを食らったような気持にならないためにも、他人はそんなもんだ。と改めて認識しておいた方が、自分の心がややこしくならずに済みます。
学生時代に私が苦手と感じる子を軽く無視していた、ということを先ほど書きましたが、1年間同じクラスにいるうちに、結構面白い子だということに気づき、そこから積極的に話しかけるようになりました。
つまり、私も同じです。他人もそんなもんであると同時に、私もそんなもんです。
だから、人に振り回されず生きてゆくしかない
人間社会で生きてゆき以上は周りの人間の影響を一切受けないというのは難しい話ではありますが、
自分で自分のスタンスを決めることはできます。
たとえば
- 悪口大会には付き合わない
- どんなに苦手な人でも挨拶はきちんとする
- 人に威圧感を与えるような言葉は使わない
- ありがとう、を積極的に使う
- ミスしたと思ったらまず謝る
など、一見当たり前のようですが、社会人でもこういったことを『気分』に任せる人は山ほどいます。
つまり、こういったことが出来るだけでもかなり貴重な人材です。
その上で嫌われたとしても、それは完全に相手の都合です。相手に合わせてあなたが誰かの悪口に付き合う必要はありません。
人間関係がつらい時は、ついつい相手から見る自分をどうにか良くしようとしてしまいがちですが、その相手の基準すら人によって様々です。
人に合わせて自分を変え続けていたら消耗する一方です。
思い詰めず、まずはベースの『自分自身』をきっちり把握してあげてください。
人の様子を伺うのは、それからでも遅くありません。