「なんだか職場で居心地が悪い・・・転職しようかなぁ。」
「仲が良すぎて窮屈なんだよね。私はここまで付き合いは望んでないのに。」
「どうしていつも、孤立しちゃうんだろう・・・。」
人間関係に一切悩んだことが無いという人はいないんじゃないかというほど、生きていくうえで人間関係の悩みはつきものです。
しかし、物事には両面性があります。
人間関係に悩んで悪い事ばかりに感じることでも、よく考えるとメリットが隠れています。
メリットとデメリットを比較したうえで、人間関係をもっと楽にしたいなと感じる方に覚えておくと役に立つヒントもご紹介します。
本当に人間関係が苦手なのかをもう一度考える
読み進める前に、もう一度よく考えてみてください。
本当に「人間関係が苦手」なのかという事を。
というのも、世間的な価値観と自分の価値観をごっちゃにしている可能性があるからです。
「みんなと仲良くしよう。」
「みんなもこうしてるんだから、協調性を持つべき」
といったなんとなく正しそうな価値観を基準にして、それと自分の内心を比較しては「私は人間関係が苦手なんだ・・・」と感じていないか、ということです。
小学生や中学生であれば、集団行動できないと少し肩身が狭い思いをするかもしれませんね。
クラスに友達がいないと居場所が無いように感じることもあるでしょう。
でも、社会人であれば、その価値観を引きずる必要はありません。会社は仕事をしに行くところなので、みんなで仲良くする場所ではないからです。
仕事終わりに早く帰って自分の時間を過ごしたいのに、行きたくもない飲み会に付き合う必要なんて、本来は全くありませんよね(とはいえ全て断るのは勇気がいるので、バランスが大事ですが)。
言葉遊びのようですが、言い方ひとつでイメージは大きく変わります。何が苦手かではなく、何を大事にしているかを考えてみてください。
人間関係が苦手な人のメリット3つ
「好きで人間関係が苦手なんじゃない」という方も多いかと思いますが、人間は不思議なもので、表面的には困っているようで、実は自分に都合の良い方を選んでいるということがよくあります。
つまり、頭では「皆と仲良くしたい」と考えていたとしても、心の奥で「人は苦手だ・あまり関わらないで欲しい」という意識があると、結局そちらの方が勝ってしまうのです。
なぜ「人が苦手だ」という意識があるのかはここでは置いておいて、人間関係を少なくすることで得られるメリットを考えてみましょう。
自由な時間が増える
人付き合いが苦手だと、基本的につるむ事も好みませんよね。お誘いは極力避け、自分から誘う事も少ないでしょう。
となるとやはり、自分の時間が増えます。
1人の時間が増えることで、やりたいことに投資する時間が増えることになり、スキルアップの勉強や、趣味・副業など、仕事以外にもいろいろな事を始めることができます。
時間は有限です。人付き合いが苦手というデメリットに含まれるこのメリットは、かなり魅力的ですよね。
人間関係のわずらわしさが無い
また、人付き合いが増えることこんな事も起こります。
- ささいなイザコザ
- 断りにくい頼まれごと
- 興味のわかないお誘い
- 出費が増える
- メール好きな人からのこまごましたメール攻撃
こういった小さなめんどくさい事が起こるのが人間関係ですが、人付き合いを避けることで極端に減らすことができます。
深く傷つけられることがない
そして最大のメリットは、これ以上傷つけられる心配がない。ということ。
付き合いが薄い状態のままなら、陰口を言われていたとしてもそこまでダメージはありません。「なんか言われてるなぁ。めんどくさ。」で済みますよね。
でももしも、すごく仲良くなってしまったら・・・あなたが心の扉を開いた後で、相手から拒絶されてしまったとしたら。
もう立ち直れなくなるかもしれません。
でも、最初から近づかなければ傷つくこともありません。少し恋愛と似ていますね。
人間関係が苦手な場合のデメリット
一方、人間関係が苦手で起こるデメリットにはどんなものがあるでしょう。
- 人と打ち解けにくい
- 集団行動しないといけない環境が苦痛
- 「人付き合いが得意なほうが良い」という価値観に押されがちになる
- 仲良くしたい人がいても、今一歩踏み出せない
- 仕事内容は好きでもその場の人に馴染みにくい
- 新しい出会いがあっても、続かない
など、こういった点は、日常生活を送るのに少し不自由さを感じさせるものですよね。
しかし、自分自身で「人間関係がめんどくさいから余計な付き合いは一切いらないや」と割り切れてさえいれば、このデメリットはデメリットではなくなります。
人間関係が苦手な原因は、どこから来るのか。
「本当はみんなとわきあいあいと付き合いたいけど、うまくいかない」
「人間関係が得意でなくてもいいから、せめて普通になりたい」
そんなあなたは、ぜひ下も読み進めてください。
人間関係でお悩みの場合、カウンセリングではよく、『誰に対して・どう感じるのか』を掘り下げてゆきます。
例えば、誰と話していると、あなたはどう感じる(考えている)のか。ということです。
とても多いのが、人と話しながら常に『自分がどう見られているか』を考えるパターン。
「私としゃべってもつまらないよね」
「もしかして、怒ってる?」
「迷惑だと思われているかも」
「可愛くないと思われてるかな」
こんな風に、相手の目に自分がどう映るのかを常に考えていませんか。
雨の日なんかはもう人と話をするのも嫌ですね。「髪www」と思われてると想像するだけで、もう誰とも関わりたくありません。
といった感じで、人と話しながらも常に自分のことを考えていると(しかもネガティブな想像をしていると)、人と話すこと自体が苦痛になりますし、そりゃ人間関係も苦手になると思います。
自分の思い込みは事実とは関係無い
垣根は相手がつくっているのではなく、自分がつくっている。
アリストテレス
もし「色々想像している自分」に心当たりがあるのなら、あなたの問題は人間関係が苦手なことではなくて、その妄想癖です。
客観的に見ると勝手に想像して勝手に壁を作るのはまるで独り相撲のようなものなのですが、当人にとっては真剣な悩みですよね。
妄想はほぼ反射的に行われるので、「嫌われてるんじゃないか」「笑われてるんじゃないか」と、自覚の無いままに心の内で何度も何度もリピートしているはずです。
しかし朗報です。こういった考え癖・心の反応は過去の記憶から沸き起こるものですが、たいていは妄想です。つまり、事実ではないということです。
人間の記憶というのは意外とあやふやで、事実でないこと・想像したこと・事実を捻じ曲げて覚えていることなどが普通に起こります。
過去の出来事ひとつをとっても、同じ経験をしたはずの二人の状況説明が食い違っているという話は珍しくもないですよね。
自分の脳をあまり当てにしていると、目の前の現実をそのまま受け取れなくなってしまうという大きな損失を招きます。「脳は勘違い・妄想をする」ということをいつも思い出してください。
脳が作る妄想に「妄想だわ」と気が付くこと
少し話が長くなってしまいました。
ポイントは、
- 自分にとってちょうどいい人付き合いのバランスを知ること。「人付き合いが良くないといけない」ことはい。
- 人と仲良くしたいけど苦手に感じてしまうのは、「人から見た自分が気になって仕方がないから」
- 「人からどう思われているか」に怯えてしまうのは、「心グセ・脳の妄想」のせい
ということです。
「なんとなく〇〇な気がする」つまりそれは、妄想です。